
白内障については、気になる方は自分から、かすみや視力低下を伝えられます。
一方まるで無頓着な方もいて、まさかの0.1を下回っていても、平気だし、ご家族に説得されてしぶしぶ来院される方もいます。
自発的に視力低下を気にしている方は、意外と検査室で測った矯正視力は、1.0ということも珍しくありません。
むしろ以前と違って、視力が下がったから受診というより、見え方というか、見え心地が悪くなって、例えば、
車を運転する人だと、トンネルに入ったり出たりして明るさが急に変わった時の視力の変化 だとか、
昨今のきつい日差し対策として、サングラスをかけていると、急に見え方が悪くなる とか、
光を背にして知人がやってきたとき、顔の判別がつかなくてショックだったとか、
新聞を広げて読んでいる時、コーヒー茶碗で片目が塞がれた時、片目だと見えにくいことに気付いたとか、
もっといろいろありますが、細かく教えて下さいます。
なる程なる程 と勉強になります。
そして、むしろそういう方は、難しい病気でなくて白内障でよかった と安堵し、手術も喜んで受けられるという印象です。
0.1を切っていると、ますます不便で、手術を是非希望されると思うのですが、ご家族に促されて、しぶしぶ手術という感じの方も珍しくありません。
お一人でフラット外来に来られた場合、白内障があるとお話しすると、すぐ納得される場合もありますが、程度分類でいうとどの程度ですか とか白内障になりかけているということですね とかこの調子だと無理に手術するまでもないですよね とか
手術回避を望まれる方も多い気がします。
そういえば、白内障の程度分類もあるにはありますが、実際のところあまり意味のあるものではない、と思います。
色々な分類法がありますが、
成熟度分類というのが、昔はよく使われていました。
①初発白内障 ②未熟白内障 ③成熟白内障 ④過熟白内障
②と③の違いは、白内障の濁りがあったとしても、眼底検査時に網膜が見えるかどうか でもこれは手術の決定において、相当古風な分類だと思います。
無理強いはしませんが、白内障は、命ある限り進行していくものですし、網膜が見えないほど進んでから手術というのは、ADLがかなり低下してしまい、せっかくの人生の時がもったいない と多くの眼科医は考えていますし、私もそう思います。