
Q&A 6 治療法は手術だけでしょうか?
混濁した水晶体は、元に戻らないため、基本的には手術が根本的な治療法です。
ただ早期においては、進行を遅らせるといった目的で、点眼薬を出すことがあります。(この点眼薬の効果については、以前このブログで書いたことがあります。)
近年では、手術技術の向上と術後の視力の回復が早いこと 高齢者でも運転する人が多いことより、以前より早期に手術を行う傾向にあります。
Q&A 7 具体的な手術法を教えてください。
以前は、強膜を大きく切開して、水晶体の嚢は残して水晶体を摘出し、その残した嚢の中に眼内レンズを挿入する手法でした。
その際には、切開の幅は10㎜程度も必要で、縫合が必要なため、術後の乱視が強くなる傾向がありました。
現在は、2~3㎜程度の小切開(1.8㎜程度のマイクロ切開も増えています)のため、ほとんどの場合、縫合の必要のない無縫合手術です。
このような小切開が可能になったのは、濁った白内障の核を超音波で、乳化破砕して吸引除去する技術と、眼内レンズを折りたたみ、レンズを挿入するためのインジェクターを使用する方法が可能になったことによります。
白内障が進行してからの手術の場合、水晶体が固くなりすぎて、超音波で砕くのに時間がかかり、手術時間も長くなります。
無縫合手術の利点は、手術時間が短縮できることと、乱視の出る率が減少することです。
Q&A 8 眼内レンズにはどのような種類がありますか?
主に単焦点レンズと 多焦点レンズです。
色々な種類がありますが、一般的には単焦点レンズが使われます。
単焦点レンズは、一点でのみ焦点を結ぶので、術後眼鏡が必要となります。また単焦点レンズは、保険適応があります。
眼鏡装用の頻度を減らす目的で開発されたのが、多焦点レンズです。
このレンズの利点は、眼内レンズが2つ以上の焦点を持つことで、日常生活での眼鏡を使用する頻度が減らせることです。
ただし多焦点レンズの場合は、厚労省承認レンズの場合は、選定療養が適用となり、手術自体は保険適応となりますが、多焦点レンズ代は個人負担となります。
また厚労省承認レンズ以外の多焦点レンズの場合、選定療養が外れ、多焦点レンズ代はもちろん白内障手術自体も自費負担となります。
因みに宮の前眼科では、多焦点レンズは、厚労省承認レンズのみを採用していますので、手術代が自己負担となることはありません。
駆け足でしたが、大体これで説明は終了です。
何かご質問がありましたら、外来受診の際に、お尋ねください。