
サルコペニア・フレイルについては、最近よく話題になりますが、今のところ有効な薬物療法は無く、栄養療法の有効性についても多くの報告があるものの、十分なエビデンスがあるかどうかも、明確になっていないそうです。
サルコペニア・フレイルの栄養管理に特化した、ガイドライン2025が初めてこの4月に刊行されました。
このガイドラインの作成組織代表を務めた葛谷雅文先生は、前名古屋大学老年科学分野教授で、現在は名鉄病院の院長だそうです。
結論は予想通りでしたが、サルコペニア・フレイルの予防という意味では、蛋白質の摂取が重要だが、既にサルコペニア・フレイルに陥ってい場合は、蛋白質の摂取のみでは確実性の高い結果は得られず、運動との併用により、筋肉量と筋力を改善するということが示されました。
ロイシンは必須アミノ酸の中でも、サルコペニアへの栄養介入に有用でサプリからの摂取も効果があることは多くのエビデンスがあるそうですが、葛谷先生は、まずは食品からの摂取が推奨されると話されています。
その際アミノ酸スコアが参考になる。
アミノ酸スコアとは、各食品に含まれるたんぱく質の量及び必須アミノ酸のバランスを表していて、最も少ない必須アミノ酸の含有量で評価されます。
最高値は100で、高いほど質の高い蛋白質が含まれているということになります。
アミノ酸スコア100の食品は、卵(全卵) 牛乳 牛肉(赤身) 豚ヒレ肉 鶏むね肉 ヨーグルト チーズ(プロセス) 魚(サケ マグロ) 大豆(加熱済み) 等。
植物性食品の中にも意外と高値のものがあり、先の大豆以外にも、納豆(85~95) 豆腐(85~90) ジャガイモ73 蕎麦92
因みに私は蕎麦よりうどん派ですが、アミノ酸スコアにおいては、リジンが少ないため41~50と低めです。残念
主食の中では、玄米68 白米65 小麦粉(パン)50~55 と低めではありますが、それでもアミノ酸スコアは思ったよりいいと感じました。
植物性食品は、脂質が少なく、食物繊維やビタミンが豊富なので、組み合わせて、例えば、ご飯と納豆 とかパンとチーズ 等で食べるとよいと栄養学の先生は書かれていました。
普段も無意識にそういう風に食べているわけですね。
再びサルコペニア・フレイルに戻りますが、高齢になって体重が減少し始めた時点 及びフレイル・サルコペニアの診断がついた時点では、まだ元に戻る可能性が高いので、食事や運動療法そして社会性を保つための介入が重要と締めくくられていました。
更に高齢患者さんの中にも、まだメタボを気にする人がおり、75歳以上の高齢者では、頭を切り替える必要が有る と述べられています。
つまりある程度の体重は維持する必要がある ということだと思います。
私も目標体重を1キロ増量することにやっと成功しました。
そうすると筋肉量も確かに増加しました。例の体重計の結果ですが。
ダイエットは若者に任せて、年齢が上がるとある程度の体重と筋肉量そして、内臓脂肪とのバランスが大切なのだと思いました