眼瞼けいれんというのは、瞼が自分の意志とは無関係にけいれんするため、瞬きが多い ぴくぴくひきつった感じが瞼にあって気持ちが悪い まぶしい 目が乾くといった軽い症状から始まり、症状が進むと、けいれんが持続し自分では瞼を開けることができなくなってきます。
初期の眼瞼けいれんでは、自覚症状だけで診断することは難しい場合もあります。
ただ進行した場合、眼球そのものには異常がないにもかかわらず瞼を開けることができず、目をつぶってしまうので、歩行中に人や物にぶつかったり、指で瞼を開けざるを得ないといった状態になることもあり、日常生活に差し障ってきます。
本態性眼瞼けいれんと呼ばれる状態ですが、原因は大脳基底核の運動抑制システムの機能的障害と考えられています。
そのほかの原因として、抗不安薬等による薬剤性のもの パーキンソン病などに伴う症候性のものがあります。
統計的には、40～70代の中高年に多く、女性が男性の2～3倍多い となっています。
精神的な緊張で悪化することが多いと言われている反面、普段は重症なのに診察時には軽快することもあり、精神状態によっても症状は変動することがあります。
治療としては、ボトックス注射を瞼に6か所決められた位置に打ちます。
ボトックスは食中毒を起こすボツリヌス菌から作られるボツリヌス毒素を利用した薬物で、筋肉を麻痺させる作用を利用したものですが、医療用に用いる場合にも厳しい規制があります。
眼瞼けいれんの他に、斜視 痙性斜頸 重度の多汗症 上肢や下肢の痙縮 等の病気に適応があります。
もちろん保険適応があります。
ただ残念ながら効果は2～4か月の持続期間で、効果が切れると再度注射が必要です。
当院でもボトックス注射は野宗先生の手術日に合わせて施行していますので、ご心配な方は一度ご相談ください。