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白内障・網膜硝子体・緑内障・涙道・斜視の日帰り手術専門クリニック
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梅毒感染の増加

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2020/07/19担当:山本 洋子
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兵庫県医師会は、週報を発行しており、その中に感染症の発生動向を報告するコーナーがあります。

 

このコーナーでは、特に発症の多かった感染症を広く医師に伝達することが目的で掲載されていますが、6月第1週の報告で、この1週間で7人 その前の週には5人 今年に入って累計113人となったと報告がありました。

 

性別では、男性 74人 女性 39人と男性は女性の約2倍。

 

性風俗産業の利用歴が男性33人 従事歴が女性5人から報告されています。

 

年齢別では、男性 40代31% 20代22% 30代20%

      女性 20代62% 10代10% 40代10%

 

病期分類 早期顕性梅毒Ⅰ期 42人 無症状病原体保有者 42人

     早期Ⅱ期 27人 晩期顕性2人

 

感染原因 性的接触 103人  原因不明 10人

 

と報告されています。

 

これは兵庫県のみの数字ですが、眼科感染症疾患の中でも、梅毒が増えていることは、数年前から学会でも注意喚起されています。

 

眼科の症状としては、難治のブドウ膜炎 網膜硝子体炎 視神経炎といった視力低下につながる状態で初めて来院となる方が、ほとんどですが、もちろん全身症状の一環としての発症ですから、他科と連携しての治療が必要です。

 

病原体は、梅毒トレポネーマという、螺旋状菌でウイルスとは違い、ペニシリン治療が成功して以来(1943年)激減していたものの、時々世界中で再流行がみられます。

 

1960年代半ばは、日本を含め世界中での再流行が目立ちましたが、日本では1987年の報告数2928をピークとして、減少してきていました。

 

1999年からは、感染症法の下で、症例報告が義務付けられていますが、1999年~2012年は概ね500~900例で推移していました。

 

ところが残念ながら、2013年からは、毎年増加し、ついに

2015年 2690人 2016年 4518人 2017年 5770人 2018年 6923人と増加中です。

 

症状が一時的に、自然軽快する時期があるため、治療開始が遅れることになりがちですが、一部薬剤に耐性のある梅毒トレポネーマがあるとの報告はありますが、治療は確立されている病気ですから、まず感染の有無を調べることが第一歩だと考えます。