この題名を見て、ピンと来る患者さんは、おそらく新生血管を伴う加齢黄斑変性症 網脈絡膜閉塞症による黄斑浮腫 糖尿病性網膜症による黄斑浮腫 病的近視における脈絡膜新生血管 等による視力の低下に対して、硝子体内注射の治療を受けたことがある 方たちだと思います。
この注射液はバイオ医薬品に属し、かなり高価な医薬品です。
他科においても、バイオ医薬品は増加し、薬価はどれも高いです。
以前このブログでも書いたことがありますが、医薬品には政府も推奨している後発医薬品があります。バイオ医薬品にも同様の後発品があります。
一般に後発品は、先発品の特許が切れた後、別の製薬会社が研究開発費の負担が無いため、安価で製造することで薬価を抑えることができ、医療費の削減に寄与します。
今回の後発医薬品は、バイエル社製造のアイリーアの後発で、アフリベルセプトと名称は違うものの、バイエル社製造 参天製薬の販売という点も同じ、もちろん主成分 添加剤 製造方法も全く同じです。
こういうのをバイオセームといいます。
この参天製薬販売のアフリベルセプトは、実は2012年に薬事承認を受けています。
ただし薬価収載が2025年の12/5 発売は未定と聞いていましたが、調べてみると2/2となっていました。
この承認から発売までの13年間。
もちろん先発製薬会社には、研究 開発費 またバイオ医薬品は、大規模な設備が必要ですから、高価になることは理解できます。
ではなぜ今なのか ということを考えた時、もう一社のアフリベルセプト硝子体注射液の存在に気づきます。
富士製薬工業の製造販売許可承認が2025年9/19 薬価収載が11/12 発売2026年1/7 販売会社は日東メディック。
こちらは製薬会社が異なりますから、バイオシミラーと分類されます。
今回のバイオシミラーとバイオセームがほぼ同時に発売されますが、この2社の薬品は同じ薬価です。
そうすると患者さんのことを考えると、多くの医師はバイオセームを選択するのではないでしょうか。
ただバイオセームは先発医薬品会社としては、アイリーアの売り上げを減少させるので、バイオシミラーが新発売されるまでは、販売する意味はないのですね。
逆にもっと戦略的な活動をするならば、バイオシミラーが発売される前に、バイオセームを発売していたら、そもそもバイオシミラーを開発するモチベーションは無くなり、開発を阻止してしまうことになりそうです。
本来薬価は、同じラインで作成できるバイオセームの方を低くするべきという 意見もあるようですが、そうするとバイオシミラーは実際売れなくなってしまうでしょう。
こういったことを知ってしまうと、製薬会社の競争は大変そうだと思います。
そしてこれが、医薬品でなければ、小さい会社の方を応援してあげたいと思いますが、患者さんに使用することを考えると、やはり躊躇してしまいます。




