日々日常的に行われている、ルーティーン的な検査や処置が果たして必要か ということを検証してみよう というコラムからの引用です。
この引用もとは、米国内科学会が、価値あるケアを行うにあたって、患者の安全を守るための効果的な医療 を行うためには ということで、多くの学会の協力の下、各科のオーソリティーの意見を基に出た、結論となっています。
もちろんこれを真に受けることが必要 という意味ではありません。
今回は珍しく、眼科領域それも白内障手術に関してでしたので、興味を持って読んでみました。
症例提示で、イエス・ノー方式で考えてみようというものでした。
83歳女性 既往歴は、高血圧 高脂血症 甲状腺機能低下 全身状態は良好 6か月前の血液検査では、大きな異常はなかった。
その患者さんの白内障手術前に、術前検査として心電図検査を行った この対応は正解か 不正解か という提示でした。
そして、70%の医師は正解(心電図検査は必要) 30%の医師は不正解(心電図検査は不要) となっていました。
今回の米国内科学会の結論は、不正解。
白内障手術は、低リスク外科手術であるため、術前評価として、心電図検査は必要ではない。
外来手術 または低リスク手術(例えば白内障手術 ヘルニア修復術)を受ける場合、術前検査の有用性を示す証拠が乏しいため、推奨されない。
術前の心電図検査は、心血管疾患や不整脈がある患者 または心血管疾患の症状があり、中~高リスク手術を受ける患者においては合理的である。
しかし低リスク処置や手術を受ける無症状患者には、適応とならない。
という結論でした。




