以前にもこのブログで書いた気がしますが、よく聞かれる質問なので、再度書いてみたいと思います。
患者さんは、よくいつ頃手術を受けたらいいですか? とか皆さんは大体どれ位の年齢でうけるのですか?と聞かれます。
本当の正解は、自分で手術を受けようと決心できた時 ということですが、少し見えにくい とかかすむ という程度では、生活に支障がないから大丈夫 と思う人もいれば、はっきり見えたいとか 車の運転が多い スポーツで負けたくない 細かなパソコン作業で仕事にミスがでると困る 等はっきりした意思をもって手術を希望する人もいます。
医師としては、一番は本人の希望を優先するので、先に書いた患者さんの質問にスラスラ答えるのは、意外と難しい。
そこで、保険制度の発達した日本では、信頼に足る統計結果があるので、色々な疾患についての統計を知ることは割と簡単なので、調べてみました。
ただし統計処理の結果は、最新でも今のところ2022年公開の、NDBオープンデータの2020年度1年間の数字になります。
年代別の分布を知ると、ご自分の年齢との客観的な比較をすることは可能だと思います。
そしてこれを根拠に、私も聞かれたら外来でも説明しています。
本来は男女別の統計ですが、その差はあまりないので、両者を平均した数字を使っています。
一番白内障手術を受ける人が多いのは、70代で48% 80代以上が26% 60代 19%
50代 6% その他は1%
80代以上というくくり方は、長寿になった現代では、80代と90代以上と分けた方がいいような気がしますが、実際は80代前半の患者さんも結構多い気がします。
低年齢で受ける方がだんだん増えている背景には、多焦点レンズの普及も関係している気がします。
医療費の負担割合の関係で、70代以上が多いということもあるでしょうし、仕事との兼ね合いで、自分の身体のメンテナンスができなかった人たちが、リタイア後まず着手するのが白内障手術 という印象もあります。
よく見えるようになってやりたいことを語る患者さんのお話を聞いていると、わりと日本という国に対して悲観的な論評が多い昨今ですが、そこまで高額な負担ではなく、手術を受けることができる日本も捨てたものではない という気がしてきます。