難症例の白内障手術
白内障手術は、最近器械も補助薬品も進化し、とても安全にそして短時間にできる手術となってきました。手術時間が短いということは、感染の危険性が低下し、合併症のリスクも減るのですから、もちろん望ましいことです。ただある一定の割合で、難しい白内障の方がおられます。例えば、散瞳が悪い小瞳孔
ブルーライトと人工水晶体
サーカディアンリズムを司る第3の受容体は、ブルーライトへの感受性が高く、ブルーライトを昼間に浴びるのは、サーカディアンリズムを正常に保つために、良いというのが先週の結論でした。カメラとしての目は可視光線全域(420~564nmの波長)を見ていますが、時計としての目は青の波長(46
白内障手術日の具体的な決め方2
昨日久しぶりに来られた高齢の患者さんは、もう何年も前から白内障が進んでいました。免許の更新があるので、もし更新予定があるなら、そろそろ手術が必要だという一つ話をかれこれ3年以上前からお話していました。この時点で、ともかく更新にチャレンジし通ってしまうと、もともと手術が怖い方なので
白内障手術〜術後のはなしPart2
では今回は前回に引き続き、白内障の術後についてよくある症状や合併症について説明します。まず患者さんが手術後に感じやすい症状の一つに「異物感」があります。すなわち「目がコロコロする」などといったような症状です。白内障手術では数ミリのごく小さい傷口を作成して手術しますが、その傷口自体
白内障手術〜術後のはなしPart1
今回は白内障の手術後についてお話したいと思います。まずは見え方についてです。白内障手術が特に問題なく終了した場合、翌日ガーゼを外すと「まるで世界が変わったみたいによく見えます!」と言って下さる方は多くおられます。ですが実際には手術したすべての方がそう感じるとは断言できません。例え
白内障手術日の具体的な決め方
先日白内障手術の決断はついているけれど、自分のスケジュールをどのように調整したらいいでしょうというお問い合わせをいただきました。個別的には、受診していただいた上で調整しますが、ここでは一般的にはということで書いてみたいと思います。免許の更新日や年に1回~数回しかない特別なイベント
白内障手術〜眼内レンズについて
さて、今回も白内障手術に関する話題ですが、眼内レンズについて詳しい話をしたいと思います。白内障手術では濁った水晶体を除去するだけでなく、ピントを合わせるための眼内レンズを挿入します。この眼内レンズには細かく言いますと「単焦点眼内レンズ」と「多焦点眼内レンズ」の2種類があります。「
白内障手術〜合併症その2
さて本日は前回に引き続いて白内障手術の合併症についてです。今回は術後の合併症、感染症のお話になります。白内障を含めてありとあらゆる手術において必ずと言っていい程に付き物なのが、この「術後感染症」です。特に白内障手術で問題になる感染症は目の中の感染症で、「感染性眼内炎」という合併症
白内障手術〜合併症その1
本日は合併症のお話です。少し前になりますが、テレビドラマで「私、絶対失敗しないので」なんてセリフを耳にしました。失敗というところまではなかなかありませんが、100%の結果が得られる手術というのは残念ながらなく、人によって満足度も違いますし、通常あまり起こらないようなトラブルが手術
白内障について〜Part5
本日はまず白内障手術の概要について述べたいと思います。白内障は水晶体が濁る病気と説明しましたが、水晶体はそもそもピントを合わせるレンズの働きをしていることは以前説明した通りです。手術によって水晶体の濁りを取り除くのですが、実は濁りを取るだけではレンズがなくなった状態になってしまう