
この3連休をはさんで、1週間ぐらいの間に、流行性角結膜炎(いわゆるはやり目)の患者さんが、増加した と感じています。
当院独自なのかどうかを知るために、感染症の地域ごとの流行状況が最速で知ることができる、国立健康危機管理研究機構 の情報を調べてみました。
これは、前の週の水曜日に集計した結果を毎週火曜日に更新してくれています。
今回の最新データは、9/16更新分です。
定められた感染症は、指定届出機関に任命されると、週に一度保健所に届出を出す義務がありますが、当院もこの流行性角結膜炎についての指定届機関になっています。
全国平均の一医療機関の患者数は、1.09人で、兵庫県は0.8人です。平均よりは少ない結果ですが、先週比では、上昇しており、増加傾向です。また昨年の同時期は、0.29人となっていますので、やはり気候状況を考え併せても、多いことは確かです。
国内で最大の感染者数は、沖縄県の5.11人です。昨年は、同時期0.56人となっていますから、10倍程度ということになります。
さらにこの1か月ほどは、沖縄県でも増加が続いています。
当院での流行性角結膜炎の患者さんは、保育園ではやっているといわれている とか、家族にはやり目の人がいるという方がほとんどですが、沖縄旅行に行ったという方もおられました。
今後は兵庫県でも増加する傾向は続くかもしれません。
流行性角結膜炎はアデノウイルスが主体の感染症ですから、特効薬はないため、完全治癒には2~3週間かかる場合もあります。
その間、学校や幼稚園 保育園は出席停止になったり、不快な症状を我慢しなくてはならなかったりします。
しかも感染力はとても強いので、何より予防・自衛が大切です。
一番は、こまめに手洗い、手指のアルコール消毒。
そして自分の目を極力さわらないこと。
ご家族にはやり目の患者さんがいるばあいは、目やにや涙を拭いたティッシュペーパー等は、袋に集めて室外に小まめに捨てること。
共有で使うドアノブ トイレレバー 洗面所やお風呂・シャワーの水栓 等の取扱いにも注意。
命にかかわる病気ではありませんが、潜伏期が長くまた完全寛解までの期間も長いため、何かと不自由を強いられるので、予防が何より大切だと思います。