今日は「さかまつげ（逆睫毛）」について詳しく解説します。逆睫毛とは、通常外側に向くはずの睫毛が内側に向いてしまうことで眼球に睫毛が接触してしまう病気です。人によって症状は様々ですが、チクチク痛い、目がコロコロする、眼脂や涙が出る、見えにくい、まぶしいなど、様々な症状を引き起こします。
逆睫毛には3種類のパターンがあり、「睫毛内反症」、「眼瞼内反症」、「睫毛乱生症」などがあります。
まず本日は「睫毛内反症」についてお話しします。
「睫毛内反症」
・下側に起こるもの
子供さんなど若い人に起こります。まぶたは表面が皮膚で、その下には眼輪筋という筋肉があります。この皮膚や眼輪筋のつき方には生まれつき個人差が当然ありますが、逆睫毛では皮膚や眼輪筋が相対的に余っており、睫毛を内側に押してしまうことで発症します。そこで治療としては余った皮膚や眼輪筋を切除したり、埋没法という方法で睫毛を外向きに矯正するといった手術を行います。なお睫毛を抜く処置を眼科で行うこともあるのですが、次に生えてくる睫毛がより太くなっていたり、角が立った睫毛が伸びてきてしまうこともあり、より痛みが増してしまうこともあります。実際には診察して状況によって手術すべきか判断します。
・上側に起こるもの
生まれつきの場合と、そうでない場合とがあります。まず生まれつきの場合はほとんどが一重（ひとえ）の場合であり、皮膚が上から下へ睫毛を押して逆睫毛になってしまいます。また高齢者にも発症する場合もあり、これは年齢により皮膚がたるんできてしまうと、そのたるんだ皮膚が睫毛を押して逆睫毛になることがあります。治療としてはやはり手術で、余った皮膚を切除したり、睫毛の向き矯正するようにうまく糸で縫合したりします。