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兵庫県の新型コロナ大規模疫学調査 | 伊丹市の眼科|宮の前眼科|白内障手術・硝子体手術・斜視手術

兵庫県の新型コロナ大規模疫学調査

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2021/10/28担当:山本 洋子
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新型コロナウイルス感染症の抗体検査については、以前このブログでも書いたことがあります。

 

抗体検査は、臨床的 診断的な意味というより、どれぐらいの住民が感染症に罹患したかを知るための、疫学調査としての意味合いで重要な検査です。

 

国内では、法律上体外診断薬品として承認を得た抗体検査はないですし、WHOは診断目的としての使用は推奨していません。

 

厚労省はすでに、2020年6月と12月に2回調査を行っています。

 

第1回目は、東京都 大阪府 宮城県の同意を得た一般住民に対し実施し、それぞれ0.1% 0.17% 0.03%でした。

 

第2回目は、東京都 大阪府 宮城県 愛知県 福岡県に対して実施し、抗体保有率は0.91% 0.58% 0.14% 0.54% 0.19% という結果が速報値として示されています。

 

ですが、おもったほど高くないという結果のように感じます。

 

兵庫県は国からの抗体調査に選ばれていませんが、神戸大学の感染症センター臨床ウイルス学の森 康子教授が2021年9月30日に発表したプレペーパーに、兵庫県健康財団から提供を受けた1000人の血清を解析した結果が公表されています。

 

人数の規模や、検査法(国の検査では2種類の検査で双方が陽性となった場合のみ陽性とする)の厳格さの違いはありますが、こちらも昨年の10月と今年の7月の2回調査が行われており、感染率の変化やワクチン効果についての考察ができると思います。

 

少し細かな話ですが、抗体の中にはワクチン接種によって作られるSタンパクと感染によって作られるNタンパクがあり、これらに対する抗体の有無も調査されています。

 

結果、抗Nタンパク抗体保有率は2.1%(特に30代 3.4% 40代4.1% と高値) 1回目は0.4%

 

抗Sタンパク保有率は38.7%と高値。(60代以上74.4% 若い世代ほど低値)

 

この解析時点での兵庫県のPCR検査での感染率は、0.85%ということですが、実際はその2.5倍の人が感染していたことになります。

 

無症状性の新型コロナ感染者が40%と考えられているそうですから、PCR検査や抗原検査では実際のウイルスの広がりは判断できないですし、抗体検査に関しても、さらに精査することにより、不顕性感染者の存在が浮き彫りになったと思います。
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