多焦点レンズを用いた白内障手術は、ちょうど1年前の2020年3月をもって、先進医療から外れ、選定療養の扱いとなりました。
大きな違いは、先進医療を行う医療機関の場合、近畿厚生局に届けるだけでなく、ある一定の基準を満たしているという認可が必要でした。
もちろん宮の前眼科でも認可を受けて実施していました。
が、昨年の4月以降選定療養という扱いになってからは、近畿厚生局にはその多焦点レンズの種類ごとに患者さんから徴収する予定の金額を明示した届をするのみで、認可は必要がなくなりました。
これは医療機関側の事務的なことですが、患者さん側から見た場合、先進医療扱いの場合は多焦点レンズ代のみならず白内障手術の部分も健康保険の適応がなかったため、現在の選定療養での手術より高額だったということになります。
選定療養であれば、白内障手術の部分は、健康保険の適応があるため、多焦点レンズの部分のみの費用負担で済むからです。
ただややこしい話ですが、以前の先進医療の扱いの場合、生命保険の先進医療特約に加入している方は、窓口での立替払いは必要でしたが、全額保険会社から後日返金を受けることができたため、結局自己負担は無しで受けることができたわけです。
手術自体は、以前と何も変わっていないのに、医療機関としては釈然としませんが、決められた規則ではそうなっています。
規則といえば、選定療養を行う施設は、近畿厚生局に届けている、患者さんに負担していただく多焦点レンズ代を、外来のどこかに明示することを求められており、当院でも掲示しています。
そしてそれを見た患者さんが、ご自分が受ける予定の保険適応の白内障手術もそんなに高額なのかと心配されて質問がありましたが、それは特殊なレンズを入れる場合に限ったことですので、ご安心ください。
先進医療特約を使った白内障手術があまりに多かったため、保険会社の経営を圧迫したとお聞きしたことがありますが、先進医療特約から外れたとはいえ、どのタイプの手術を受けても、生命保険に加入していれば、手術給付金の対象となっていますので、忘れず請求してください。
その際手術した施設での記入が必要ですから、保険会社から書類を受け取っておいてください。