点眼タイプではないかゆみを抑えるクリーム状のお薬は、世界初ということで幼い子供たちや、点眼しにくい手先や首のトラブルがある患者さんたちには、とても有用ではないかと期待をもって何人かの方に処方しました。
目薬をさすという行為は、意外と難しいのです。
清涼的な意味合いでさすのではない場合、例えば緑内障の治療薬等は、一瓶に入っている点眼液の量があまり多くないため、なるべく1滴で命中させたいですし、目の周りに付着させることで、まぶたが荒れたり、着色したりすることがあります。
首を痛めていると、上を向くことが困難な時もあり、看護師さんが点眼する場合でも、ポジショニングが難しいことがあります。
ですから、特に長期にわたる点眼が必要な緑内障などの治療薬が、副作用のないクリームになって発売されたらいいなと思って、クリーム状の薬であることに期待していました。
今のところ、はっきりと良くなかったと言われる患者さんはいませんが、点眼が苦にならない或いは極まれに、大好きな子供さんの場合は、再診時はやっぱり点眼薬でと言われることが、往々にしてあります。
このアレジオンクリームの場合、1日1回でよいのですが、痒みの程度によっては、EXの2回点眼より4回点眼のアレジオンを好む患者さんも珍しくありません。
2回点眼ということで、アレジオンの濃度も2倍になっていますが、製薬会社の研究員が想定するほど、患者さんは点眼を煩わしいとは思っていなかったり、コストがかさむことの方が困ることだったり、クリーム状の場合、目の周りがべたついた感じが嫌だったり と患者さんによって、ニーズは様々なのだと思います。
そういう意味では、バリエーションが増えて、多くの選択肢から選べるというのは、薬そのものが不足している医療過疎の国から見れば、贅沢なことでもあり、有難いことだと思います。
ただ防腐剤フリーの緑内障薬や、ドライアイの点眼薬の一部 等に未だに出荷調整がかかっており、患者さんによっては、現状とても困ったことになっている事実があります。
防腐剤アレルギーが出る前に、何とか復旧してほしいと切に願っています。
最近全科的にベーシックな薬が入手困難になることがあり、調剤薬局の薬剤師さんも頭を抱えておられることだと思います。