兵庫県伊丹市宮ノ前1丁目4-8 みやのまち3号館1階
白内障・網膜硝子体・緑内障・涙道・斜視の日帰り手術専門クリニック
診療曜日・時間
午前9時~12時
午後13時~
午後15時~19時

手術 ※日,祝,土曜日午後は休診となります。

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涙道閉塞について〜Part 2 | 伊丹市の眼科|宮の前眼科|白内障手術・硝子体手術・斜視手術

涙道閉塞について〜Part 2

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2017/10/27担当:野宗研志
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さて今回は涙道閉塞の治療法、手術について説明します。(いくつか専門用語が出てきますが、過去のブログをご参考ください。)まず一つ目は当院でも行なっている手術法で、涙管チューブ挿入術という手術です。まず麻酔を行いますが、点眼麻酔、涙道内麻酔、滑車下神経ブロックなど色々な麻酔法があります。点眼による麻酔のみでは効果が弱いので、涙道に麻酔液を流し込む涙道内麻酔という方法を追加で行うことがありますが、これらの麻酔だけではどうしても鼻の方へと手術操作を加えて行った時に強い痛みを感じてしまうことが多くなります。そこで当院では滑車下神経ブロックといって目の少し上の内側に少量の麻酔を追加で行なっており、涙道内麻酔よりも痛みをしっかりと抑えることができます。

涙道閉塞では涙点→涙小管→涙嚢→鼻涙管のどこかで閉塞が起こっており、そこへ細い針金のような器具を通していったり、シリコン製の細いチューブを挿入したりしながら、閉塞している部分の癒着をとってゆきます。上手く癒着がなくなれば、さらに奥へとシリコン製チューブを挿入して手術は終了です。

またその他には涙道鼻腔吻合術という手術法があります。この方法では上記の麻酔法に加えて鼻腔にも麻酔をしたりします。場合によっては全身麻酔を行うこともあります。この手術では閉塞がひどい場合などにその閉塞部分は諦め、別ルートのバイパスを作ることによって涙が流れるようにします。以前には目頭のあたりを切開して行う方法が主流でしたが、最近では内視鏡などを使って鼻の中からもアプローチすることで全く皮膚を傷つけることなく行う方法が主流になってきています。ただしこの方法は当院では行なってはおらず、一部の涙道専門病院で取り扱っている手術法です。

涙道閉塞は以外にありふれた病気なのですが、「歳のせいだから仕方ない」といった説明をされている病院も多いように感じています。私自身が以前に経験した例ですが、他の眼科に診察を手伝いに行っていた時、同様に涙は歳のせいだから仕方ない、と説明を受けておられた方を診察しました。その患者さんはなんと、他府県に引越されて住んでいるのに、ただただ治りもしない診察のため毎月何時間もかけて通院されていました。私がたまたま診察してみて、手術で治る可能性があることを説明したところ、初めて聞いたと言われました。その後にその方は私が手術をしてうまくゆき、何年も悩まされていた涙から解放されてとても喜んでおられました。悩んでおられない方には分からないことですが、涙があふれるというのはイメージ以上に辛い症状なのだと改めて感じます。もし涙で困っておられましたら是非一度受診してもらえればと思います。